何より、演奏される方がどなたも年季を感じさせることです。数10年弾かれてきて、多くの曲の積上げの上に、今日の演奏がある、という「時間」を感じさせます。
第2は聴衆を楽しませる仕掛けが、特に変わったものではありませんが、定位置にちゃんと置いてあることです。「オリーブの首飾り」の中での手品、叩く楽器カホン、トライアングル、ハーモニカなどの登場、最後のアンコールで「上を向いて歩こう」を歌わせて終わる、などです。
第3は演奏者が自分が好きな曲を楽しんで弾いている様子が見えることです。これも往年の名奏者だからこそできる技でしょうか。イン・ザ・ムードで途中で終わったふりをする、など聴衆を巻き込んでの楽しみでしょう。フルートやマンドリンもとても効果的です。
第4は選曲が結構、ポピュラー系で親しみ易い構成だということです。プログラムや司会にもわかりやすい工夫があります。姿勢を正してF.ソルやF.カルリを聴く、というのとは違う場面づくりでした。またベースが1本加わっているのも演奏に厚みを増していました。
アンコールの手前まできっちり2時間。もう少し聴きたいという適度な時間です。感想は一言で言うなら「来年もまた来よう」。湖南のみなさん、ありがとうございました。